2025年4月10日、本促進会は四川省西部技術移転センターの委託を受け、「四川省2025『蓉漂杯』ハイレベル人材イノベーション・起業コンテスト 海外重点地域専門競技会(日本地区)」の競技活動を主催いたしました。
本コンテストは、四川省人材事業リード本部の指導のもと、成都市人材事業リード事務局が世界全体の主催者を務め、成都産業投資グループ有限公司が協賛、日本地区における主催者は、四川省西部技術移転センターおよび一般社団法人東海国際交流促進会が担当しました。
日本各地の10数都市から専門家、研究者、起業チームが情熱と期待を胸に、中部の要衝・名古屋に集結。最先端の科学技術トレンドを探求し、革新的な協力の機会を模索する中で、いくつかの特徴的な成果が見られました。
1. イノベーション・エコシステムの高度な整合性
日本中部地域は、日本の製造業および経済の重要な中核を担うエリアであり、特に名古屋市を中心とする東海地域には、トヨタ自動車、三菱重工業、川崎重工業など、世界有数の大手企業が多数集積しています。
これらの企業を中核とした高度なスマート製造産業チェーンの周辺には、世界トップクラスの高等教育機関、先端的な研究開発機関、そして多様な商業グループが集まり、技術開発・人材育成・産業転換が連携・融合することで、革新的なエコシステムの“クローズドループ(閉環)”が形成されています。
その技術分野のカバー範囲は広く、人材の質は極めて高く、またプロジェクトの実行力にも優れている点が大きな特徴です。これらの特徴は、「蓉漂杯」が目指す先端技術の発掘、高度人材の招致、産業高度化の促進という目的と見事に一致していました。
2. 成都との協力意向が明確に示された
日本地区からの応募は好調で、最終的に30件のプロジェクトがロードショーの機会を獲得しました。
開催委託を受けた本促進会は、速やかに日本国内の各地域において、中国人留学生会、日本の研究機関、ハイテク企業などと積極的に連絡を取り、出場案内を発表しました。その結果、わずか2週間で47件の応募が寄せられ、審査員チームによる厳正な選考を経て、30件のプロジェクトがプレゼンテーションに進出しました。
出場プロジェクトの分野は、環境保護・循環型経済、生物医学、機械装備・製造業、新素材・農業、IT・人工知能、デジタルデザイン、防災・緊急管理など、多岐にわたるホットトピックを網羅しており、グローバルな課題や未来のトレンドに焦点を当てながら、現在の産業変革ニーズにも深く呼応しています。
また、出場チームの実力も非常に高く、30チームのうち、博士号取得者16名、修士号取得者29名が参加し、合計40件以上の技術特許を保有するなど、明確な競争優位性を示しました。出場者たちは革新的な連携を軸に、プロジェクトの実現と協業への強い意欲を表明しており、統計によれば、全体の98%が共同研究・共同開発などの多角的な協力への参加を希望しており、そのうち70%以上の出場者が起業の意向を持っていることが明らかとなりました。
3.「蓉漂杯」は日中両国の開かれた連携を促進
コンテスト当日、全日本華僑華人社団連合会副会長の唐啓山氏および東海日中貿易センター・プロジェクト部長の石原和己氏が、それぞれ歓迎の辞を述べました。
現在、日中間の経済・貿易交流は依然として活発化しており、成都は中国西部における対外開放の重要な拠点として、これまでも日本と密接な関係を築いてきました。統計によると、過去5年間における成都の対日貿易総額は累計1,763億5,100万元に達しています。また、知的財産権、人的資源、語学サービスなど、日本向けに強みを持つ5つの特色あるサービス輸出基地を背景に、対日サービス貿易も着実に拡大。累計契約額は3,440.5万ドルに達しました。
今回のコンテストを通じて、「蓉漂杯」は成都の開放性・包容性・革新志向といった都市イメージを広く発信するとともに、競技を“架け橋”として、日中両国における経済貿易協力、技術交流、人文的な相互理解を一層深める役割を果たしました。これにより、国際的なリソース共有、優位性の補完、協同発展に新たな推進力がもたらされました。
4.革新的プラットフォームが人材協力を後押し
今回のコンテストでは、「6分間のロードショー+2分間の質疑応答」という選考形式が採用され、参加チームはプロジェクトの基本概要、実行可能性、市場展望、成長戦略、リスク管理について、重点的にプレゼンテーションを行いました。
その後、3名の専門家による審査団が現場で出場者と対話を行い、質疑応答の内容や発表の完成度をもとに総合的な評価を実施しました。
激しい競争の結果、以下の6プロジェクトが高く評価され、2025「蓉漂杯」ハイレベル人材イノベーション・起業コンテスト(日本地区)海外重点地域特別競技会において、1等賞、2等賞、3等賞をそれぞれ受賞しました:
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「乾式半導体ウエハ再生技術」
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「ナノ智熱チップ」
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「革新的強モーメントモーターおよび重負荷6軸産業ロボットの研究開発と産業化」
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「次世代環境保護型新素材の表面処理技術」
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「菌類抽出物による機能性食品の共同開発」
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「脳梗塞リハビリテーション用ロボット」
5.全チェーン型サービスによるプロジェクトの実用化支援
2025年「蓉漂杯」ハイレベル人材イノベーション・起業コンテストは、約2か月にわたって開催され、その中でも本競技(海外重点地域特別競技会・日本地区)は、海外の優秀なイノベーション・起業プロジェクトを選出することで、国内外のハイエンド人材や知的資源に焦点を当て、「国際人材の共有」プラットフォームの構築を強く推進しました。
本コンテストは、「人材チェーン・産業チェーン・イノベーションチェーン・金融チェーン」の深い融合と相互価値の創出を目指し、さまざまな分野の海外人材が成都に集まり、新たな発展ルートの開拓につながることを目的としています。
また、リスクファンドやベンチャーキャピタル、金融機関(銀行など)を招致し、政府による誘導基金などのリソースを統合することで、プロジェクトへの的確なマッチングサービスを提供。参加指導、プロジェクトのインキュベーション(孵化)、市場マッチングといった一連のサービスを通じて、全プロセスにわたる事業化支援体制を構築しました。
このような全過程サポートシステムと多様なインセンティブ支援により、より多くの優秀な人材やチームが成都での着実な事業展開を実現できるよう支援しています。
「蓉漂杯」では、海外ワークステーション、海外留学人材ネットワーク、国別協力パーク、国際友好都市などのキャリア形成支援基盤を活用し、海外の科学技術イノベーション拠点を選定。実際に現地に赴いてヨーロッパ特別競技会、日韓特別競技会を展開することで、海外人材の参加利便性を高め、国外の優秀人材(“外国智脳”)がその専門性を十分に発揮できるようにしました。
また、**外資・外経・対外貿易・対外広報・国際交流(いわゆる“五つの対外連携”)**を組み合わせた総合戦略により、国際的に優れたイノベーション製品、技術成果、起業プロジェクトを多数誘致し、成都での実用化と展開を加速させています。
このような取り組みにより、国内外のハイレベルなイノベーション・起業人材(チーム)が、質の高いプロジェクトを携えて成都に集結する動きがますます活発になっています。
現在、イベントはすでに総括段階に入り、受賞者は2回にわたる成都でのロードショーに参加。授賞式や賞金の受け取り等も2025年9月をもって完了予定。
来年の「蓉漂杯」でも、日本の皆様と再びお会いできることを心より期待しております。